CAN NOT THROW AWAY-捨てられないもの-
森永 邦彦(ANREALAGE デザイナー)

「ジャップ」のバックナンバー

モード評論家である平川武治氏も編集に携わっていたことから存在を知った季刊雑誌。 99年に休刊となるまで発刊された21冊は、読み返す度にいまも私に新しい発見を与えてくれる。

「大学在学中、服作りを始めた頃に出会った雑誌。当時、原宿がモードの興隆期を迎える中、ファッションに関心ある若者がこぞって参加していたデシプリン(DISCIPLINE)という勉強会を主催されていたモード評論家の平川武治氏が編集に携わっていることを知って読み始め、バックナンバーも買い集めました。ファッションに関する評論が少なかった当時、デザイナーの思想とか時代性を読み解いて東京コレクションを論説したり、川久保玲氏をはじめとする著名なデザイナーのロングインタビューも掲載。写真家でもある編集長の伊島薫氏の斬新なビジュアルからもファッションの奥深さと過激さ、新たな視点を得ました。いまでもコレクションの制作前に読み返す、無くてはならないバイブルです。実は編集者の叔父 森永博志もジャップで記事を書いていて、その中で祖母が洋服をつくってデザイナーを目指していた、という話も初めて知りました。あえて日本語読みを全てローマ字で表記している記事だったので読むのに苦労しましたが(笑)。私にとって現在もインスピレーションのもとであり、知らなかった自身のルーツも垣間見せてくれた雑誌です。“神は細部に宿る”がアンリアレイジの信念。徹底的なクリエイティブで作り込まれたものは、時代を経ても褪せることなく、人に何かを与えることができる。これは雑誌でも洋服でも全てに共通する普遍的な真実だと思います」。

森永 邦彦 (ANREALAGEデザイナー)

東京都国立市生まれ。2003年早稲田大学社会科学部、バンタンデザイン研究所を卒業。同年、ブランド「ANREALAGE(アンリアレイジ)」を設立。 2011年、第29回毎日ファッション大賞新人賞を受賞。2014年9月よりパリコレクションに参加。2019年、LVMH PRIZE 2019の ファイナリストに選出、第37回毎日ファッション大賞を受賞。
http://www.anrealage.com/
Instagram @anrealage_official

ーANREALAGEー

ANREALAGEとは、A REAL-日常、UN REAL-非日常、AGE-時代、を意味する。日常の中にあって非現実的な日常のふとした捩れに眼を向け、見逃してしまいそうな些事からデザインの起点を抄いとる。「神は細部に宿る」という信念のもと作られた色鮮やかで細かいパッチワークや、人間の身体にとらわれない独創的なかたちの洋服、テクノロジーや新技術を積極的に用いた洋服が特徴。LVMHモエ ヘネシールイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)が創設した「LVMH プライズ」の2019年のファイナリストにアンリアレイジ森永邦彦が選出。LVMH本社で行われた作品審査によって、セミファイナリスト20組からファイナリスト8組が選ばれた。

編集者PLUG

シェアする