INTERVIEW
CAN NOT THROW AWAY-捨てられないもの-土井地 博 (BEAMS コミュニケーションディレクター)
10 February 2020
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日々に郷土の薫りをもらたす器たち

地元である島根県・出雲が誇る出西窯の焼き物は上京してからも愛用している日常道具。どちらかといえば捨てるよりも 気に入ったものを見つけては増えてしまうもの。もし割れたり欠けてしまってもリペアしたり花器に再利用して大切に使っています。

「生まれ故郷である島根県・出雲地方が誇る民藝品 出西窯(しゅっさいがま)の焼き物。最近では出西窯と、 ベーカリーカフェ“ル コションドール”、セレクトショップ“Bshop”が、 暮らしにまつわるアイディアを 発信するために スタートしたスポット“出西くらしのvillage”も人気を集めています。出西窯の始まりは昭和22年、戦後まもない中で新たな産業を模索しながら全くのゼロから生まれた焼き物です。確立するまでの過程で柳宗悦や濱田庄司、イギリスの陶芸家バーナード・リーチらとの交流も生まれました。民藝運動の重鎮たちから学びながら築いた独自のスタイルが生み出す美しさは唯一無二のもの。鮮やかな瑠璃色は“出西ブルー”と呼ばれていて、私も好きな人気色。国内の高感度ショップはもちろん、現在はパリやニューヨークでも高い評価を受けて世界的に展開されています。海外出張で見かける度に島根の人間としてとても誇らしい気持ちになりますね。また、鉄を用いて焼く技法に注目していくと古代に製鉄で栄えた島根の姿も浮かび上がってきます。こうした民藝品や工芸品から地域の歴史をうかがい知ることができるのも魅力です。しかし、出西窯は非常にたくさんの語り口がありますが、島根では日常的な雑器であり、私自身もデイリーユースな当たり前の道具として使い続けています。その土地にしかない文化、そこでしか手にできないモノなど、その地で暮らすBEAMSのスタッフたちがキュレーションした日本各地の魅力を、ぎゅっと詰め込んだシティガイド“BEAMS EYE ON”の配布も今夏からスタートしました。島根県はもちろん、日本には全国各地にまだまだ面白いコンテンツが隠れています。日本各地の銘品や食品、文化などをキュレーションする創業地、新宿の店舗“BEAMS JAPAN”も今年オープンから3周年を迎えました。セレクトショップのルーツは良いものを見つけ出して世の中に紹介することにある。これからの時代、我々BEAMSはこれまで以上に地方の素晴らしいものを発掘しながら、地方からの情報発信にも力を入れていきたいと思っています」。

○土井地 博 (BEAMS コミュニケーションディレクター)
島根県出身。PR 業務を行いつつビームスが実施する各コラボレーション事業やイベントの窓口を担当。洋服だけではなく周年事業や FUJI ROCK FESTIVALをはじめとした音楽やアートイベント等を手掛ける中心人物として長年業務を行っている。現在はビームスグルー プ全体の 宣伝・販促を統括するディレクターでもあり、社内外における「ビームスの何でも屋さん」というネーミングを持つ仕掛人。
https://www.beams.co.jp/special/theradio/btcs/
Instagram @hiroshi_doiji

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