#7. INTERVIEW
松田 敏之 両備ホールディングス株式会社 代表取締役社長
#新しいキャッチフレーズ
「岡山は夢で 未来も晴れの国」
人・街・夢をつなぐ 、『 両備グループ 』
「十年一昔」と言うが、百年以上変わらぬ志を持ち、社会のため、岡山のために走り続ける企業がある。岡山を代表するリーディングカンパニー、両備グループだ。1910年7月31日の創立以来、交通運輸、不動産、情報サービスなど幅広い事業を展開し、持続可能な社会の実現をビジョンとした経営を続けてきた。その軸にあるのは、地域と共に成長する企業の在り方だ。今回は、同グループのグループプレジデントであり、両備ホールディングス株式会社の代表取締役社長としてもグループ全体の経営戦略を統括する松田敏之氏に、自身が並々ならぬ情熱を注ぐ岡山の新たなキャッチフレーズを考えてもらった。
「新しいキャッチフレーズは『岡山は 夢で未来も晴れの国』です。〈夢〉とは、自分の経験や情報から生まれるもの。五感で得たインスピレーションが『こんなものがあったらいいな』という想いになり、それを実現することで社会は進化してきました。ただ、岡山は恵まれた環境ゆえに、良くも悪くも大きな課題が少なく、夢や願望が生まれにくい。けれど、私たちが当たり前だと思っている岡山の魅力は、全国や世界で見ればとても特別なものなんです。だからこそ、もっと柔軟に発想し、夢を描くことで、岡山の未来はさらに明るくなるはず」。人々がもっと自由に夢を持てる社会へ。松田氏自身の夢もまた、そこにある。
走る、創る、つなぐ。みんなの夢が動き出す
グループの仲間たちに夢を!
「両備ホールディングスの社長としての夢は、『夢を持つ仲間が一番多い会社』をつくることです。僕はさまざまな人との対話から本質的な気づきを得て、そのエッセンスを自分の夢へと変換しています。その夢をもとに、これまでさまざまな事業に挑戦してきました。それは本当に幸せなことです。この幸せを仲間たちにも感じてほしくて、常に『夢を持とう』と伝えています」。松田氏の夢は、両備グループ全体の成長へとつながり、ひいては働く仲間の未来を拓くことにも結びついている。見聞を広げ、課題を見出し、それを夢へと転換していく。このポジティブな循環こそが、いまを走る両備グループの原動力だ。
もっと夢を口にして、人生を豊かに
「夢を持つことそのものが、人生の大切なテーマのひとつです」と語る松田氏。彼は毎年、グループ全体への年末の挨拶で「夢を考えてください」と投げかけ、年始には「夢を考えましたか?」と問いかける。このやりとりを続けるのは、夢を持つきっかけをつくり、それを考える企業文化を根付かせたいという思いがあるからだ。「夢を持つことと同じくらい大切なのが、それを人に語ることです。話しているうちに共感や協力が生まれ、必要な情報が自然と集まり、結果として夢の実現に近づくことができる。夢を言葉にすることには、自分の考えを整理し、行動につなげるだけでなく、周囲の思いや知恵を引き出し、より具体的な形へと発展させる力があります。そうした意識の変化が、やがて街全体の活気につながり、さらに広がれば日本全体の活力を生むことにもつながる。こうした良い循環を生むためにも、夢を持ち、それを語ることが大切だと考えています。きっと誰もが心のどこかで『もっと人の役に立ちたい』とか『岡山を盛り上げたい』といった想いを持っているのではないでしょうか。少し押し付けがましく聞こえるかもしれませんが、これからも《夢》の大切さを伝え続けていきたいですね」と、松田氏は語る。彼の言葉は、実体験に基づいているからこそ、重みを持って社員に伝播している。夢を語ることは、単なる願望の表明ではなく、共感を生み、新たな可能性を引き寄せる第一歩になるのかもしれない。
幼い頃の憧れはバスの運転手さん
両備グループは、地域の活性化や公共交通の魅力向上に取り組みながら、独自のプロジェクトを数多く生み出してきた。その代表的な取り組みが「おかでんチャギントン電車」だ。子どもたちに夢を届けるため、2018年10月、両備グループの一員である岡山電気軌道は、英国の人気鉄道アニメ『チャギントン』に登場するキャラクター「ウィルソン」と「ブルースター」を再現した世界初の路面電車を導入した。デザインを手がけたのは、岡山県出身のインダストリアルデザイナー水戸岡鋭治氏。2019年3月には「おかでんチャギントンバス」も運行を開始。車内のシートにはキャラクターたちが描かれ、外装だけでなく、乗り込んだ瞬間から物語の世界に引き込まれる演出が施されている。アニメの世界観をそのまま再現したデザインと体験型の仕掛けに子どもたちは夢中だ。「実は子どもの頃、バスの運転手さんになりたかったんですよ。子ども時代にたくさんの憧れを提供してくれたのがバスだったからです。遠足で乗った二階建てのバス、大きな車体にワクワクした記憶、運転手さんの真摯な対応、バスガイドさんの温かい案内――そんな体験が、強く印象に残っています。当時の大人たちがくれた憧れが、今の夢につながっているんです。地域や業界の未来のために、子どもたちに《乗り物》で夢を与えたい。また、大人として憧れてもらえる後ろ姿を見せることが大事なのではないかと思っています」。松田氏は、公共交通を単なる移動手段ではなく、乗ること自体が特別な体験となるような乗り物を数多く手がけてきた。チャギントン電車のほかにも、業界で初めて全11室を扉で仕切った完全個室型の夜行バス「DREAM SLEEPER (ドリームスリーパー)」や、世界で初めて太陽光発電システムを搭載した路線バス「SOLARVE(ソラビ)」などを開発し、移動そのものを楽しめる工夫を凝らしている。「岡山での暮らしが魅力的に映るような未来を目指し、さまざまなプロジェクトを立ち上げています。岡山の良さを改めて感じられるものをつくりたい――この夢を周囲に伝え続けてきました。両備グループの仲間たちも、きっと同じ思いで取り組んでくれているはずです」。
ユニークな取り組みだけでなく、両備グループは社会課題として重要な公共交通の充実にも力を注いでいる。移動手段の利便性が向上することは、暮らしやすさに直結するだけでなく、地域全体の魅力を高める要素にもなる。快適に移動できる環境が整えば、日々の生活がより豊かになり、街への愛着も深まるかもしれない。こうした取り組みを通じて、街の機能性を高めるだけでなく、そこに暮らす人々の時間や体験そのものに価値をもたらすことも両備グループのミッションだ。松田氏は、岡山を訪れる人々に「ここに住んでみたい」と思わせるような魅力を生み出し、暮らす人々には「この街で暮らせてよかった」と誇りを持てるようなまちづくりを公共交通の側面からも支えていきたいと考えている。
夢を持ってもらうことが夢
「人に夢を持ってもらうことが、いつの間にか僕自身の夢になりました。最近は、どうやったら多くの人が夢を持てるかを考えることが増えています。皆さんの発想を広げ、刺激を与えられるようなきっかけやツールを提供したい。やはり、地域の課題解決こそが企業の大きな役割だと思っています。仲間たちもきっと同じことを考えているはず。どうすれば社会の役に立てるか、どうすればお客さまに喜んでもらえるか、そして、仲間同士が幸せになれる仕組みをどう生み出していくか。日々、そんなことを考えています」と、松田氏は語る。その姿勢は、両備グループの経営理念である「忠恕(ちゅうじょ)」にも通じている。「真心からの思いやり」を意味するこの言葉は、創業以来100年以上にわたって受け継がれてきた。人が行動を起こす原点にあるのは、「人が人を思いやる心」なのかもしれない。それは、時代が変わっても揺るがない真理とも言える。松田氏が「社員」ではなく「仲間」という言葉を使うのも、そういった価値観の表れなのかもしれない。組織を支えるのは、人と人との信頼関係なのだ。
言葉の持つパワー
松田氏に、経営者としての考えや人生に影響を与えた言葉を尋ねると、その一つとして、三洋電機の代表取締役会長兼CEOを務めた野中ともよ氏が提唱した「Think GAIA」構想を挙げた。「未来の子どもたちに美しい地球を還そう」という理念を掲げたこのスローガンは、当時の企業経営において画期的なものだった。「2005年当時、環境問題を経営の中心に据える企業はほとんどありませんでした。三洋電機はリーズナブルな価格帯の製品を展開していた企業で、最先端の技術開発やブランド戦略を主導する立場というよりは、身近な家電メーカーという印象が強かった。そんな企業が、業界でもまだ主流ではなかった環境問題に真正面から取り組み、『Think GAIA』という経営ビジョンを掲げたことに驚きました。今では環境保全や温暖化対策が企業の重要なテーマとして定着していますが、当時は経営戦略として取り入れる企業はほとんどなかった。だからこそ、この言葉が持つメッセージには強いインパクトがありました。20年経った今でも鮮明に記憶に残っています」。この構想のもと、繰り返し使える充電池、風呂の残り湯を活用する洗濯機、排気が吸気よりもきれいな掃除機など、三洋電機は環境配慮型の製品を次々と生み出した。「私も経営者として、社会にインパクトを与えるメッセージを発信してみたいと考えています。〈Think GAIA〉のように、人々の意識を変え、行動につながる言葉を生み出せたら、それが未来を変える力になるかもしれません」。
岡山の魅力をギュッとひとまとめ
杜の街グレースに込めた本当の願い
「杜の街グレース」は、岡山市中心部に位置する複合施設で、商業エリア、オフィス、住居、医療機関などが一体となった街づくりプロジェクトだ。地域の魅力を発信しながら、都市生活の快適さと豊かさを兼ね備えた環境を目指している。松田氏は、この場所を訪れる人が新たな発見を得られる場にしたいと考えたという。「杜の街グレースで五感を磨き、センスを高め、岡山の良さにもう一度気づいてほしいと思っています。ここが発見の場になればいいですね。たとえば、フードホールには岡山の美味しいものを数多く集めました。岡山の豊かさを一度に味わえる場所にしたかったんです。地元の方がここで食事をすることで、〈岡山の食〉に誇りを持ってもらえたらうれしいですし、県外から訪れた人には『岡山の食文化っていいね』と感じてもらえたらと思っています。その印象が口コミで広がり、岡山の食文化がより評価されるようになれば理想的ですね。地域の魅力を再発見することで、地元への誇りにつながり、それが人々の言葉や行動をポジティブなものに変えていく。日常のちょっとした買い物や食事をきっかけに、そんな変化が生まれる場所になればと思っています」。ふらりと立ち寄ったフードホールで充実したランチを楽しむ、洗練された雑貨屋でお気に入りのインテリアを見つける。そんな何気ない出来事が、気づかないうちに日々の暮らしを豊かにしていく。そこに並ぶのは、岡山の風土が育んだ食材や、地元の技術が活かされた品々。杜の街グレースを歩くことで、岡山の魅力を改めて感じられるきっかけが生まれるかもしれない。松田氏は、これからの杜の街グレースについて、さらに充実させていきたいと語る。「すでにカフェやギャラリー、保育園なども備えていますが、それぞれの施設が持つ魅力をさらに引き出し、街全体としての価値を高めていきたいですね。たとえば、ギャラリーの企画展をより多くの人に知ってもらう仕組みをつくることや、地域の活動と連携したイベントを増やすことで、日常のなかで文化や芸術に触れられる機会を広げていきたいと思っています。訪れるたびに新しい発見がある場所、そんな風にさらに磨きをかけていきたいですね」。
120歳まで楽しいまちづくりを、ここから
都市の利便性と快適な暮らしが調和する「杜の街グレース」。まだ完成形ではなく、現在も周辺の工事やアップデートが進められている。岡山駅や後楽園、シンフォニーホール、ハレノワなど、交通拠点と文化・商業施設が徒歩圏内にあり、立地のポテンシャルを活かしたさらなる魅力の創出が進行中だ。このエリアは、両備グループ代表兼CEOの小嶋氏が提唱する「歩いて楽しいまちづくり」を最も体感しやすい場所のひとつだといえる。「もし岡山市中心部に住む人のもとに東京の友人が訪れたら、『え!岡山ってこんなに暮らしやすいんだ!』と驚かれるかもしれません。駅に近く、買い物や医療機関へのアクセスが良く、文化施設もそろっている。都市の機能が集約されていることは街の魅力です。これらが分散してしまうと、どうしても移動手段がマイカー中心になってしまう。歩いて楽しめるまちをつくることで、バスや路面電車といった公共交通の未来を守ることが重要なんです。これは、日本の地方都市の多くに共通する課題でもありますね」。公共交通の維持は、車を持たない人や運転が難しくなった高齢者にとって、日常生活を支える欠かせないインフラのひとつだ。少子高齢化が進む中で、どのような街が理想的なのか。松田氏は、今後の街づくりについてこう語る。「高齢になっても、自分らしく暮らせる街をつくりたいですね。病院が近く、食事や買い物に困らず、適度な運動ができて、温泉にも入れる。そんなふうに、安心して暮らせる環境が理想です」。さらに、今後の課題として、高齢者が働ける場や地域コミュニティの形成にも取り組みたいと考えている。「この場所にいれば、120歳まで自分らしく過ごせる。誰もがそう思えるような住み良い街を目指していきたいですね」。
新たな成長のための土台づくり
松田氏は毎年、社員に向けて経営のキーフレーズを発表している。2025年のテーマは「しっかり根を張り、高く伸びる」。2023年、2024年は2年連続で「やりきる」を掲げ、企業としての成長を推し進めてきた。その結果、確かな手応えを感じる一方で、基盤をより強固にする必要性も再認識したという。「樹は、地上に広がる枝葉と同じだけ、大地に深く根を張ると言われます。企業も同じで、大きく成長し続けるためには、目に見えない部分の土台をしっかり築くことが大切です。足元が揺らいでから対処しても、手遅れになることもある。私たちが先人たちから受け継いできた信頼は長い年月をかけて築かれたものですが、それが崩れるのは一瞬です。昨年までは、高く伸びることばかりを意識しすぎていたのかもしれません。今年はその反省も込めて、まずは根をしっかりと張ることに力を注ぎたい。そして、その先の未来に向けて、さらに大きく成長できるよう、準備を進めていきたいと考えています」。加速的に変化する社会のなかで、成長を追い求めることが常に最善とは限らない。先人たちが築き上げたものを次の世代へと託すために、足元を見つめ直すこと。「しっかり根を張り、高く伸びる」は、企業経営だけでなく、松田氏が進めるまちづくりにも通じるフレーズかもしれない。「新しい流れを生むもの」と「変わらぬ基盤」となるものが未来を築く土台となる。これらを両立させるため、松田氏はまちづくりと企業経営、それぞれの視点を融合させ、地域とともに歩む両備グループの未来を描いている。
「目的地岡山」になるために
岡山県は交通の便が良いものの、他の都市や観光地と比べると「目的地」としての印象が薄く、経由地としての認識が強い。岡山桃太郎空港からは国内主要都市や国際線への便も運航されているが、関西や福岡などと比べると発着便は少なく、岡山を経由して他の空港へ向かう人も多い。鉄道では、岡山駅が西日本の主要な新幹線停車駅の一つであり、東海道・山陽新幹線を利用すれば東京・大阪・広島・福岡といった都市へスムーズに移動できる。さらに、瀬戸大橋によって本州と四国をつなぐ玄関口でもあり、車での移動にも適した立地だが、岡山自体を目的地とする旅行者は多くない。「岡山は経由地としての役割が強いですが、ここを目的地、もしくは旅の拠点となるベースキャンプのような存在にしたいと考えています。岡山から西日本各地へ旅をする起点となるような場所を目指し、将来的にはインターナショナルホテルの誘致にも取り組みたい。交通アクセスのポテンシャルは十分あるにもかかわらず、『ぜひこのホテルに泊まりたい』『このデザインだから選びたい』と思わせるような存在感のあるホテルが不足しているのではないかと考えています」。関西圏からは新幹線で40~60分程度とアクセスが良く、中国地方や四国、九州にも近い岡山は、宿泊地としても可能性を秘めていると松田氏は言う。観光客の流入を促すには、「世界的なホテル」と「岡山の文化」の融合が鍵になる。そのヒントを、松田氏は海外で見つけた。「最近ブータンを訪れました。この国では、伝統的な生活様式や民族衣装が今も日常のなかに根付いています。そのなかで宿泊したのが、世界的に有名なアマンリゾーツが手がける〈アマンコラ〉。このホテルは、ブータンの魅力をそのまま宿泊体験に落とし込んでいました。本格的なブータン料理を提供し、土地ならではのロケーションを活かしながら、ブータンの文化に寄り添っている。滞在することで、その土地の個性が自然と感じられるつくりになっていました」。アマンリゾーツは、世界各国に展開するラグジュアリーホテルチェーンで、「アマン・マジック」とも称される独自の空間作りでも有名だ。その魅力は、滞在そのものが文化や風土と結びつき、深く味わえる点にある。「岡山の街を歩くだけでは伝わりにくい魅力を、ホテルを通じて感じてもらうことができるかもしれません。空間やサービスに岡山の文化や歴史を取り入れることで、滞在そのものが岡山を知るきっかけになる。そうしたホテルがあれば、それを目的に岡山を訪れる人が増えるのではないでしょうか。どんな形でもいいから、まずは岡山の魅力に触れてもらうことが大切だと思います」。
岡山の「ドリーム・メーカー」
松田氏は、社長在任中に達成したい目標を二つ掲げている。その一つが、アジアにおけるコールドチェーンの整備だ。「海外に行くと、必ずと言っていいほどお腹を壊してしまうことを思い出しました。なぜなのかを考え、日本と海外を比較したところ、日本ではコールドチェーンが徹底されていることに気づいたのです。食品の低温流通が整備されていることで、安全な食が当たり前に手に入る。一方で、アジアの一部地域ではまだその環境が十分ではありません。私たちは物流事業にも強みを持っているので、そのノウハウを活かし、アジアにコールドチェーン網を整備できれば、多くの人の生活をより豊かにできると考えています」。また、松田氏は瀬戸内地域の観光地としての可能性にも注目している。「もう一つの目標は、岡山をもっと人が集まる地域にすることです。特に瀬戸内地域の魅力をより多くの人に知ってもらい、注目される観光地として発展させたいですね。『岡山って、実はすごいんだ!』と改めて気づいたことが、この目標を強く意識するきっかけになりました。岡山にはまだ活かしきれていない観光資源が数多くあります。チャギントン電車の導入や杜の街グレースプロジェクトなど、すでに取り組んでいるものもありますが、さらに磨きをかけ、岡山の魅力を発信できる新たな仕掛けも考えていきたい。岡山の持つポテンシャルをより引き出し、地域の価値を高めていきたいですね」。世界戦略の加速と地域振興の充実を並行する両備グループでは、これまで紹介した以外にも各地で複数のプロジェクトが現在進行中だ。その一つひとつが、松田氏の仲間である社員の「夢」でもある。多岐にわたる事業を展開する地元リーディングカンパニー「両備」の本業は何か。それは交通でも不動産でもシステムでもなく、「ドリーム・メーカー」と言えるかもしれない。松田氏が岡山に蒔く夢の種は、両備グループの挑戦とともに地域の確かな力となっている。その実りは、岡山のプレゼンスをもっと確かなものにしてくれるはずだ。夢を持つことで、未来は晴れる!
PROFILE
○まつだとしゆき
1978年生まれ。岡山県出身の実業家。住友信託銀行(現在の三井住友信託銀行)を経て2009年に両備ホールディングスに入社し、両備グループ内で多くの役職を歴任。2019年に同社の代表取締役社長に就任した。現在ではグループ44社を統括し、両備システムズの代表取締役社長も兼任する。岡山の地域魅力度に関するランキングを10位以内に引き上げることを目標に掲げ、「杜の街グレース」「おかでんチャギントン」などの事業も手がけている。
HP.https://www.ryobi-holdings.jp/
INSTAGRAM.t.matsustagram
TO THE NEXT …..