PROLOGUE
岡山で考える、
私たちは何に時間を費やすべきか
実用的なAIの台頭は、95年に登場したインターネットに匹敵するほど
ドラスティックな変化を私たちに与えるとされています。
それは、ヒト固有のものとされていたコミュニケーションやクリエイティブの領域にまで
及び、これまで行っていた作業や思考はこの流れの中で大きく代替されていくでしょう。
通信や移動手段などの発達に伴って物理的な時間が短縮されてきましたが、
AIはまったくの別物といえます。
私たちは、
これから人類史上で最大の可処分時間を得るのではないでしょうか。
そんな中で、Z世代以降の新しい価値観として
「タイパ(time performance)」という言葉が注目を集めるようになりました。
「動画を倍速で視聴する」、「ショートコンテンツを利用する」、
「ネタバレ消費を好む」、「オンラインでコミュニケーションをとる」などが
タイパを重視する人の特徴として挙げられます。
「タイパ」を肯定すべきか、それとも否定的に捉えるのか。
私には、可処分時間が増える中でさらに時間対効果を上げようという
ヒトのマインドがどこから起こるのかはわかりません。
過去最大の可処分時間を獲得した現代人にとって、「時間」の価値は
相対的に下がるはずですが、絶対的な価値が逆に高まるという
ミステリアスな現象を生んでいるように思います。
現代の若者が時間を費やすべきは何か。
今号では、「タイパ」をキーワードに、高校生の皆さんへ向けた特別授業を企画しました。
岡山の経済や政治、文化をリードする5名の方々をゲストに迎え、
「何に人生の時間を費やすか」について学生時代を振り返りながら
いまはどんな考えで、何に時間を充てているのかを伺っていきます。
皆さんは、何に時間を費やしていますか?
岡山で流れるそれぞれの時間が、充実した素晴らしいものでありますように。
PLUG MAGAZINE
編集長
YAMAMON