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EDITORS PICKED OUT OKAYAMA UNDER 30 THE POWER OF #03
22 April 2021
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direction: Machiko Kawano
photography: Shinichiro Uchida (SUPC)

GENERATION no.3

TRANSPARENT SOUL

追い求める生命のカタチ

家の模様が重なって表現される、動物たちの躍動する生命。
独自の感性を形にしたデザインキャラクターや見知らぬ街並み。
思うがまま、その時描きたいと浮かんだものが作品となる。
“完成”すら未知、心のあるがままに紡ぎ、重ねていく。
ソウルアーティスト・DAIKIによって描かれる世界は自由で、そして優しい。

「家画」シリーズより 2019-2021『10枚のキリン』
家をたくさん描こうと思って描きはじめたが、気付いたらキリンになっていたのがはじまりだというキリンの絵。
悠々と大自然を移動する姿を想像すると止まらなくなり、1枚ずつ描き進めていくうち、最終的に10枚続きの大作となった。

「家画」シリーズより 2019-2021
左上:『キリン』 右上:『ウーパールーパー』 下:『シマウマ』



繊細かつダイナミック
想いのままに描かれる生命のチカラ

キリンが群れをなし、大地をのびのびと歩く十枚の連作。点描画かと思いきや、《家》の模様で連なっている。岡山市中区の自宅をアトリエに制作活動を行うアーティスト、 ダイキさんによる「家画(いえが)」シリーズは、無数の《家》からキリンやサイ、シマウマなどの動物たちが描かれたもの。「家の集合体を描きたいと思っていたら、気づくとキリンになっていました。描きたい動物がどんどん頭に浮かび、思うままに制作したものです」。ペンを走らせながらその時浮かんだものを描くというスタイル。何作も並行して進め、どの作品も「これで完成」と定めず寝かせることがあったりと、自由闊達。「描く」という行為を通して、心を弾ませながら縦横無尽に世界を謳歌しているのだ。
 はじめてダイキさんの作品に触れたのは5分ほどのTVドキュメンタリー。あまりにも緻密、それでいてダイナミックな筆致とデザイン、想像もつかない表現力と発想力。私は雷に打たれたような衝撃を覚え、すぐに取材を申し込んだ。自閉症のため話すのは得意ではないとのことだったが、キラキラと輝く瞳に、はにかんだ笑顔が印象的な好青年の横顔には、外部に染められる余地がない、強烈な透明感があった。
 中学生の時、図書館で見た漫画家水木しげる氏の原画集に衝撃を受け「自分もこんな世界を生み出してみたい」と本格的に絵筆を取った。ゲゲゲの鬼太郎はじめ、ドラゴンボールやドラゴンクエストのキャラクターも大好きなダイキさん。描くことで生み出す動物やキャラクター、町の絵からは、彼が心に抱く憧れが溢れ出しているかのようだ。

◎DAIKI Age.19 ソウルアーティスト
2002年 岡山市生まれ。幼い頃から絵画、工作、陶芸が大好きだった。
中学生の時に見た水木しげるの画集をきっかけに画家を目指す。様々なアートサイト、アートプロジェクトに
作品を展示しながら、企業や新聞社とのコラボレーション作品も発表するなど積極的に自身の作品発表の場を模索している。


「家画」シリーズより 3連作品
2019-2021 『サイ』



“生命”をモチーフにまだ見たこともない世界を描きたい

モチーフの多くは、動物などの生きものや、暮らしの集合体である町や景色。そこに自ら生み出したキャラクターや世界を重ねていく。「生きものが持つ生命力や個性。自然に織りなされた姿をリスペクトしています」。

まだ訪れたことのない世界中の街と人、文化に触れたいという夢もある。「絶対訪れてみたいのは、スウェーデンです。『ムーミン』が生まれた世界をいつか自分の目で確かめてみたいんです」。

画集の出版、ニューヨークでの個展開催に加えて、大好きな漫画家、鳥山明や実業家の前澤友作と会うことも彼の夢。「人のために自分のお金を使える人がいると知って衝撃だった。僕も人の幸せを願える大人になりたいから、話を聞いてみたいと思いました」。

備前県民局が主体となって展開している「デザインゴールズ事業」において、畳縁や畳縁を使ったオリジナルグッズなどを発表したり、「きらぼし★アート展」ではTシャツ&トートバッグのデザイン画を提供したりと、少しずつだが彼の作品は人の心を動かし、一歩ずつ夢の実現に近づいている。

photo_「きらぼし★アート展」で制作したTシャツ&トートバッグ。ダイキさんの描いた作品が一面に使用された。

photo_(左上)作業机の目前に所狭しと並べられたお気に入りのフィギュア。
(中央、右上)ベタ塗りのとき使用するインクとペン。そして、その下はいま描きたいもの。付箋でリスト化するが、毎日同時に5~6枚を同時制作しても、日々増えていくので頭を整理するのも大変だそう。
(下)ダイキさんが中学生の時に水木しげる画集を模写したもの。誰に教わるでもなく始めた描画だが、その筆致は初めて描いたとは思えないほど緻密で力強い。

photo_一昨年から描き始めた「家画」シリーズの新しい絵の制作を進めるダイキさん。目を凝らさないと見えないほど小さなちいさな「家」の集合体。

描き出した作品はすべて 自分にとって
かけがえのない愛着がある「第一子」
ペンを走らせながら 文化や歴史 自然の力とか
いろんな要素によって長い時間の中で織りなされる生き物や町の
個性豊かな生き様を想像すると 心が震える

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