FEATURE
ELD×ASENDADA COLLABORATION WORK
22 October 2020
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暮らしと感覚を刺激するインテリア

ELD INTERIOR PRODUCTS×ASENDADA

大胆で、繊細で、可愛くて、ひと匙の毒気をもつ。
IDEE、伊勢丹、代官山蔦屋書店などで数々のエキシビジョンを開催し、
最近ではユニクロUTのデザインでも注目を浴びる「ASENDADA(アセンダダ)」
代表・デザイナーのサトウアサミさんと、
岡山を起点にオリジナル家具のプロダクトをはじめ建築デザイン、設計、施工を手掛ける
イールド代表の渋谷竜司氏のコラボレーションにより生まれたのは暮らしを刺激する新しいインテリアの可能性だった。


ミントとシャーシャーが合う。天板のミントはメラミン製。
Table : ELD “TYG TABLE” Melamine : ASENDADA “Plaid MInt”
Chair : ELD “LOOP CHAIR” Textile : ASENDADA “Fog”


Chair : ELD “ROCKING CHAIR”
Textile : ASENDADA “Carpet Black”
茂みの向こうに感じる気配をデザインしたテキスタイル“Carpet Black”。ワイルドな雰囲気の中に覗く鮮やかな色彩が際立つよう、鉄の素地とアサメラ材という仕様のROCKING CHAIR と組み合わせた。


Sofa : ELD “STEEL SOFA”
Textile : ASENDADA “Motif”
「気ままに自由に」を意識して描いたデザイン“Motif”と無骨な STEEL SOFA が組み合わさり、
ユニークなプロダクトとなった。

INTERVIEW.

ELD×ASENDADAの新しい挑戦

渋谷氏が初めてアセンダダの作品を見たのは代官山蔦屋書店だった。展示されていた作品をその場で購入したら、店員さんが「作品購入した方がいますよ」とサトウさんに連絡。するとサトウさんはすぐに渋谷氏に会いに蔦屋まで来てくれた。初対面の挨拶がてら渋谷氏は自身の仕事やイールドのことを話した。後日、サトウさんはネットでイールドを検索。予感めいた閃きを感じた彼女は、すぐさま岡山へと向かった。

Sato:「私は札幌生まれなので、『ちょっと東京いってくるわー』みたいな感じでもともとフットワークが軽いんですよ。それに、初めてお会いした時から、作るものは全然違うけど感覚はすごく似てるなって直感もあって気になって。」

Shibuya:「その時かな。『折り畳みイスとか作れますか?』って話が出たのは。それで色々話してると、クロスやラグなど内装材でのテキスタイルが、アセンダダが本来やりたかったことだと彼女から聞いて。それなら何か一緒にやろうよという話になって。それで、まずは椅子を制作。代官山蔦屋書店の展示にその椅子を加えてもらったんです。イールド製品がアセンダダのテキスタイルと合わさることで、まったく表情が違うものに生まれ変わってて、新鮮だったし嬉しかった。」
雰囲気もテイストも、全然違う。でも、この2つが合わさったらそれは全く新しい世界が生まれる---渋谷氏は展示された作品を眺めて、そう確信した。さらなる可能性を探るべく次は、ソファや机など大きめの家具に取り掛かった。もともと帆布生地やスチールなどを用いた無骨で普遍的な雰囲気だったイールドの家具は、アセンダダによって全く違う表情に変化した。制作した十数点の作品は、ポップアップショップというカタチでお披露目された。

Sato:「ここまで本格的にたくさんの製品を手掛けたのは初めてで、自分にとってすごくいい刺激になりました。私は昔から色も柄も仕様も様々なものを織り交ぜた、カテゴリー分けされていないインテリアやデザインが好きで今に至ります。気兼ねなく図案を取り入れるのはあくまで私の感覚であり、もしかすると一般的に柄のものって特別で贅沢な感覚があるのかなって。無地なもの、ミニマルなものは空間に馴染みやすい。外出も控えてなるべく家の中で過ごそう、みたいな今のような時代には、ベーシックなものを選ばれるのかなと思ったりして。でも、先日ドイツ政府が『アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ。』と述べられたニュースを見た時にすごく腑に落ちたんです。”アーティスト”という言葉を広げて解釈していますが、それは、柄を取り入れることで景色がパッと明るくなったり心が潤ったり新しい感覚や刺激の源になる、いわば薬のような役割なんだと。そういう価値や感覚をテキスタイルなどを通して伝えられる立場なのだから、そこは大切にしたいなと改めて思いました。」

Shibuya:「それはすごく分かる。刺激を受けたい、自分の意識をアップデートしたい、新しいものや新しい景色を見たい、そういう欲求はどこかで絶対に必要だから。」

Sato:「本当にそう。だからこそ日々使うもの、毎日必要なものこそ、取り入れる人の感情を高めるツールになれたら、そのスイッチになれたらいいなと思います。」

ふたりの作り手が、ごく衝動的で純粋な“刺激”という欲求を追求することで生まれた今回のコラボレーションは、いわばきっかけであり、スタートライン。家具だけでなく、たとえばタペストリーやクロスへのプリント、ラグや壁面全体へのペイントなど、取り入れる人の感性やその時々の気持ちによってアイディアが様々に膨らむテキスタイルが持つ可能性は、無限大だと話す渋谷氏。イールドとアセンダダの既成概念を打ち砕く挑戦は、はじまったばかり。

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