特集：タフネス オブ ザ デニム
日本人の多くが自覚症状もなく「失われた30年」。「地方の時代」の掛け声だけでジリ貧の地方都市。 暴走する資本によって蔑ろにされた自然環境。コロナ禍によって傷んでしまった私たちの社会生活。 いま、こうした課題をアカデミックに論じるのではなく、もっと身近な事柄で考えることができないだろうか。 現状を打開するために必要なものは何なのか。
そこでたどり着いたキーワードが「Toughness(タフネス)」でした。
私たちの身近にあり、それを体現するものが「デニム」です。 デニムは丈夫で経年にも耐えうる素材、製品であり、日本のデニム産業は海外からも高い評価を受けています。
岡山県は、その関連産業が集積する倉敷市・児島と井原市を擁する世界的な一大産地。 「デニムの聖地」という言葉は県民にも広く認知されました。 しかし、近くにあるものを深く知ることもないまま、フレーズだけが独り歩きしている感は否めません。 地場産業の歴史とポテンシャルを捉え直し、デニムと向き合うきっかけをつくりたい。 そこには、この時代を生き抜くヒントがあるはずだ。 そんな思いから、今号は、「タフネス オブ ザ デニム」と題して ファッションデザイナー、職人、識者などへのインタビューと地元ファッションピープルのスナップを特集しました。
貴方のクローゼットに掛かった一本のジーンズにも 時代を越え、人生に寄り添ってくれる「強さ」が宿っているはずです。 デニムみたいに、タフに生きていこう。
〈着用ITEM〉ジャンプスーツ(ANACHRONORM)、Tシャツ（USED／スタイリスト私物）
今回の表紙&特集のトップを飾ってくれたのは…
MUTSUE KOUBARA
INTERVIEW TO MUTSUE
ファッション業界の人に岡山出身だと話すと、桃太郎やきびだんご、桃やマスカットよりも「岡山といえばデニムだよね」っていう反応の方が多いですね。きっと岡山で暮らしている皆さんが思っている以上に、岡山＝世界有数のデニム産地という印象を持っている人が沢山いるんだと思う。でも、岡山が世界のファッション都市に比べてオシャレな場所だとは思われていないんですよね。 私も岡山産のデニムを愛用してるけど、岡山の人こそ、もっとジーンズを履けばいいのになと。県民服じゃないけど、岡山の人は日常的にデニムをよく着る、それも、素敵に着こなす人が多い街だ。そんな個性が生まれて、周知されていくと嬉しいなと思ったりします。
ファッションが盛んな東京、大阪、福岡のような大都市以外だと熊本に行ってみたいって言う業界の人が多いけど、それは、こだわりのある良いセレクトショップが多いから。スタイルのあるオシャレな人が増えれば、素敵なショップも増えて街の新たな顔ができる。産地としての存在感だけじゃなく、そういう部分でも岡山がもっと自慢できる故郷であってほしい。
ファッションには、ひとの人生や街の空気感を明るく変えてしまうパワーがあると思うから。
世界中のランウエイを歩きながら、私も岡山をしっかりアピールしていきます。
by Mutsue Koubara
〈着用ITEM〉デニムコート、デニムシャツ、デニムパンツ(全てANACHRONORM)
時計(HUBLOT AERO FUSION TOMIYA LIMITED EDITION)
〈着用ITEM〉デニムパンツ(ANACHRONORM)時計(HUBLOT AERO FUSIONTOMIYA LIMITED EDITION)
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COVER MODEL PROFILE
◯神原むつえ/ モデル
岡山県岡山市出身。国内外ブランドのコレクションで活躍中のファッションモデル。2019年はアジアを中心に活動。2020年からはパリ、ロンドンのコレクションに出演。adidas asiaキャンペーン、LIMI feu 他ファッションブランドのルックブック、広告にも多数出演。2021年夏に開催されたRakuten Fashion Week TOKYOでは10ブランドのランウェイで起用され、ファッション専門業界誌の表紙にも採用された。
Instagram; tmgroooo2 WEB; https://numbereight-models.jp/