石川康晴の哲学塾 Vol.3
×岸本セシル

クロスカンパニー代表の石川康晴氏が、日本を牽引する人物と対談するこの企画。第三弾は、ファッションモデルとして18歳で単身上京し、現在は雑誌non-noモデル、おなじみアースミュージック&エコロジーのモデル、その他多数の雑誌やTVCMで活躍している岸本セシルさんを迎えた。沖縄出身の彼女が抱いている、故郷沖縄に対する郷土愛。今回は、互いの郷土愛を軸に、仕事や人生の哲学を語った。

石川)セシルには、一昨年からアースミュージック&エコロジーのイメージモデルをお願いしてるんだけど、久々の再会ということで今日はよろしくお願いします。早速だけど、今日は郷土愛をテーマにいろいろ聞こうと思います。地元の沖縄が大好きなことで有名なセシル。18歳で沖縄を離れてモデルをするために東京に来たんだよね。上京したばかりの時はどんな感じだった?

セシル)高校卒業して3日後には東京に越してきたので、昨日まで毎日会ってた友達や親に会えなくなったことが一番きつかったですね。景色も環境も人も全然違うので。

石川)うん、人の優しさとか少し違うよね。

セシル)そう、人の雰囲気が違う。あ、でもしばらくして気付いたことがあるんですけど、東京の人の方が親切だって思いました。道を尋ねたらすごくちゃんと説明してくれる。沖縄の人は基本的に道とか教えるのがすごい適当なんです。あっち行ったらあっちらへんにあるよ〜。みたいな感じで(笑)。

石川)確かに。東京の人は丁寧に説明してくれるよね。セシルは沖縄のどんなところが一番好きなの?

セシル)全部好きです!海は、東京に比べたらどこにいっても綺麗だし、夜になっても底が透けて見えるビーチがあるんです。ゴーヤは苦いからあんまり好きじゃないけど、沖縄そばも好きだしラフティーも好きです。エイサーっていう沖縄音楽があるんですけど、それも好きですね。毎年夏になったらそのお祭りに行ってました。今年は忙しくて行けなかったんだけど、小さい頃から夏は公民館や近くの小学校で練習してる音がほぼ毎日聞こえてて、よく見に行ってました。あとはなんと言っても沖縄の人の良さ。大人も子供も皆穏やかで気を張らなくていい雰囲気が落ち着きます。

石川)そっか。沖縄の人のおもてなしとか気遣いは、岡山も見習わなきゃいけないと思うよね。沖縄に行ったとき、信号待ちの時に気付いたら青信号だったんだけど、結構時間が経ってたはずなのに後ろの車はクラクション鳴らさずに待ってくれてるんですよね。すごい穏やかな人が多いと感じました。沖縄から東京に出てくる人は結構多いと思うんだけど、セシルは東京に出てきて、どんな人と交流したり影響を受けたりしてるの?

セシル)やっぱり今も沖縄の人とばっかり遊んでますね。

石川)以前は月に一回は沖縄に帰らなきゃ身体がもちませんって言ってたけど、仕事が忙しくなった今はどう?

セシル)今も寂しいですよ〜。でも忙しくなってきたので月に一回帰るっていうのは難しくて、3ヶ月に一回くらいですね。

石川)本当に沖縄好きだよね(笑)。じゃあ、逆に東京に出てきて気付いた沖縄の嫌な部分はある?

セシル)う〜ん。そうですね…。働かない男性が多いことかな。ちゃんと働いてる人ももちろん居るんですけど、私の周りを見てると働かない人が多い(笑)。沖縄は東京に比べると物の数が圧倒的に少ないから職の数が多くないのも当然なんですけど、東京に来てそれをすごく感じましたね。

石川)田舎って結構そういう状況が多いと思うんだけど、それは岡山でも言えるよね。特に岡山もローカル意識が強いから、なかなか外に出ようとする人が少ない。一度外に出てみればもっと自分の街のことや自分達がどういう状況に置かれてるのか肌で感じられるのに。でも、沖縄大好きなセシルがそんな環境のなかモデルの道を選んだのには何か理由があったの?

セシル)実は、モデルになろうとは全く考えてなかったんです。高校生の時マクドナルドでバイトしてて、たまに父の知り合いの美容室のモデルをさせてもらってたんです。で、ある日そこのオーナーさんの紹介で事務所の方が私に会いたいということで沖縄まで来てると聞いて。でもその日はバイトだったので「バイトなんで無理です」って、断ったんです(笑)。それでも5分でいいから会ってくれと言われて会うと、その週末に撮影会があるから、撮影会だけでも来ない?って誘われて、「まあ撮影会くらいならいっか〜。」って何も考えずに行ったら、実はそれがモデルオーディションの最終選考会だったんです。知らずに行って後で聞かされて、結局ファイナリストに残ったよって言われて(笑)。本当にびっくりしました。親や友達はその時すごく喜んでくれてたけど、私は「東京に出なくちゃいけない」と思って、あんまり喜べなかった。東京にも全然慣れなくて、ようやく今年に入って慣れて、すごく楽しめています。

石川)何をきっかけに楽しめるようになった?

セシル)私、ブログをやってるんですけど、今年に入って今までにもらったブログのコメントやファンレターをもう一回全部読み返したんです。改めて読んでたら、なんか「頑張んなきゃな」って自然に思えて、それでやる気が湧いてきました。

石川)モデルとして、セシルが一番大切にしてることはなに?

セシル)どんな状況も楽しむということに尽きます。以前は、頑張ってはいたけれど「あれ?私いま本当に笑えてるのかな?」って思いながら仕事してる時がありました。今は純粋にすごく楽しんで笑ってます。

石川)食事制限とかはしたりするの?

セシル)まさに今ダイエット中です。不摂生すぎるということで(笑)、体型維持のためにジムに通ってます。でも私食べてる時が一番幸せで…。しかもお肉が大好きなんですよ!だから、ちょっとつらいです(笑)。

石川)それは相当辛いね(笑)。でもそんな風に楽しんで頑張れるのがいいよね。セシルの人生の最終目標は何?

セシル)お洋服とか雑貨とかが好きなので、夢はいつか沖縄でセレクトショップを開くことです。あとは沖縄に家を建てることと、ゴールデンレトリバーを飼うこと!

石川)いま無期限でお休みができて、何でも自由にしていいよと言われたら何したい?

セシル)無期限ですか?じゃあ、真っ先に3ヶ月くらい使って集中ダイエットしたい!それで、その間は沖縄に帰って…あ、でも沖縄に帰ると余計太っちゃうかな…。

石川)セシルは本当にポジティブで、目標にまっすぐだね。岡山にも、最近はセシルみたいにモデルとして活躍したいという夢を持ってる若者が沢山いるんだけど、最後に、そういう人達にメッセージを。

セシル)私も故郷が大好きなので精神的につらい時期もあったけど、東京に来ていろんな人に会って、改めて故郷のことが分かった気がします。モデルのお仕事は、お洋服が好きならいろんな服を着られて楽しいし、また世界中のいろんな場所に行っていろんな人に出会えることも、すごく楽しい。もちろん大変な時もあるけど、あまり大変だとは考えず、いつもポジティブに楽しむこと!

石川)沖縄を離れていろんな人に出会い、また仕事を通していろんな世界を見たからこそ今みたいにポジティブに考えられるようになったのかもしれないね。地元が本当に好きで郷土の愛を理解しようとするのであれば、より広い視野で大都市や世界を肌で感じて、それからまた自分達の街を見れば、その街の良さや本当の愛情がもっと分かるということだよね。今日はどうもありがとうございました。またダイエット成功したら焼き肉行きましょう(笑)。

セシル)こちらこそ、ありがとうございました。焼き肉、ぜひとも!

岸本セシル/モデル

1990年沖縄県生まれ。新人モデルの登竜門であるelitemodellook2007に出場しグランプリを受賞。現在は雑誌、広告、TVCM等で多岐にわたり活躍する。2009年よりアースミュージック&エコロジーのイメージモデルとしても活躍中。

石川 康晴/(株)クロスカンパニー代表取締役 社長

1970年岡山県生まれ。株式会社クロスカンパニー代表。大手アパレルで経験を積み23歳で起業し、1995年に(株)クロスカンパニーを設立。現在は岡山大学経済学部に在学中。

編集者PLUG

シェアする