《TAMANO time》玉野時間/1講義目:対談

清心工業 木村清児氏を筆頭に 玉野で育ち、玉野を愛し、玉野のこれからを担う そんな男たちが地元について語る対談企画。

今、未来。玉野愛にあふれた4人が本気で地域に向き合う。

世界に誇れる ロケーションと、人。

木村)玉野の「いいところ」ってどこだと思われますか? 私はありきたりだけど海と島を臨むロケーションだと思っています。

加藤)いいところがありすぎてね(笑)。ロケーションももちろんですが、気候が温暖で、災害も少ない。そしてなにより人間の良さだと思います。こうやって玉野のことについてしっかり向き合ってくれる人がいること、それだけでも素晴らしいことですよ。

宮原)このロケーションの素晴らしさが《人》を創っているのでしょう。接しているのが一国だけという内海は世界的にも希少であり、世界に誇れる場所だと思っています。私は三十歳まで東京で暮らし、岡山に来て、玉野で働きだして二十年。だからこそ見えるものも多くなるのでしょうし、玉野の良さを誰よりも知っている自信もあります(笑)。

木村)最年少の植松さんはどう感じておられますか。

植松)造船や製造業など、基幹産業がしっかりしている割に人口が密集していないことが挙げられると思います。起業、ビジネス展開するにも《ブルーオーシャン》だと感じています。

木村)植松さんは専門学校を卒業してすぐWEB制作とITコンサルティングの会社を起業されたんです。まだ二四歳。

植松)人が集まっていないということは裏を返せば労働力のある若い世代が流出しているということですよね。これはエリアにとっては解決すべき喫緊の課題だと思っています。

加速し続ける人口流失問題。

木村)地域において人口が流失しているのは全国共通の課題ですが、玉野はそのスピードが尋常ではない。 宮原)通常の場合、人口減少で影響を真っ先に受けるのは商店。玉野は造船業をはじめ、モノづくりが根付いた街なので、人口減少が産業に直結しづらいんです。正直なところ、危機感を感じている方が少ないのではないかと。

加藤)拠点が少ないことも関係している。宇野港で長く続けられてきた「たまの・港フェスティバル」ですが、現在は財政難により開催が危ぶまれています。市の財政の方向が災害復興と今後の対策に向かっている最中で、観光イベントや拠点整備が後手に回っているのが現状です。

木村)確かに、市民の安全を守ることが第一ですからね。市民会館など市民の拠点を全国に先駆けて建設したのは、実は玉野でした。当時は革新的だったのに現在ではもっとも古い建物になってしまった。

植松)素晴らしいエリアなのに、それを十分広報できていないとも感じます。そもそもコーポレートサイトなどに必要性を感じていない方が多いことに驚きます。今まで玉野の事業者にIT利用を提案する人が少なかったのかもしれないですね。しかし、しっかりと説明すれば、ご理解いただける。この理解を進めるのも私の仕事だと感じています。

加藤)どちらかといえば保守的な方が多いのですが、だからこその素朴さ純粋さもある。前例にとらわれず、附に落ちさえすれば素早く協力体制ができあがるから、議決はとても早いんです(笑)。


雇用の創出、拠点の整備、 デジタル技術を駆使した周知。

木村)課題解決には雇用の創出と拠点整備も必要ですよね。特に拠点については中途半端なものではなく唯一無二であることが望ましいと考えています。

宮原)いま、来年の操業を目指し新しいホテルの建設を進行中で、これを玉野観光の新たな拠点にしていきたいと考えています。インバウンドの周遊拠点の一つとして玉野滞在を選んでもらうべく、瀬戸内海を堪能できるプログラムも用意します。玉野は人造のものではない独自の価値《自然》が本当に素晴らしいですからね。

木村)他の観光都市では、インバウンド向けのスタイリッシュなホテルが多く建築されていますよね。

宮原)私は逆に「スタイリッシュなホテルが必要?」って思っています。東京や京都といった一大観光地をベンチマークすることには意味がないのでは。玉野の最大の魅力は《人》。地元の人とコミュニケーションが生まれる空間を供出してみたいですね。

加藤)「また玉野に来たい」と思っていただけるサービスを実現するのは簡単なことではありませんが、それらの起点となるホテル新設には期待していますし、スポーツやアート、文化的な取り組みをさらに支援していきたい。渋川海岸でのビーチスポーツが徐々に浸透してきたように、イベントと体制がうまくかみ合って地元の方にも楽しんで参加してもらえる企画をどんどん進めていきたいと考えています。

植松)WEBやドローンなど得意分野を生かして、貢献できればと考えています。アイディアの一つには「eスポーツ」もあって、自治体を巻き込んで進めたいと画策しているところ。日本では法整備や認知の低さなど諸問題があるためにまだ浸透していませんが、海外では数百億円規模の一大マーケットとして成長しているコンテンツです。玉野の新たな魅力として、他の地域に先駆けeスポーツの振興にも取り組んでいこうと思います。

宮原)直島とつながっていることで玉野に訪れる方はアートへの関心が高い方が多い傾向があります。そして、観光業を含めた文化的な新しいビジネスを根付かせることで、雇用も創出できる。そうしたビジネスモデルを構築すれば、周囲の自治体とのアライアンスができてくるのではないかと期待しています。

木村)自治体との連携はさらに強化していくべきでしょう。実現できるか否かの問題ではなく提案を続けていくことで、問題意識と協力体制が醸成されます。老若男女すべての方に参加してもらえるような、地方創生モデルをつくりたいですね。

加藤)このまま人口流失が続けば2040年代には玉野市そのものが消滅する、という危機に瀕していることは意外と知られていません。他のエリアとのアクセスはいいのに雇用が少ないのは反省に値する。観光業を起爆剤として今後は取り組んでいかなければなりません。

宮原)親日家で有名なモナコ国王が来日された際、数ある瀬戸内エリアの中から玉野滞在を選んでくださったことがあるほど、十二分なポテンシャルを秘めたエリアであると自負しています。これからインバウンド需要が見込まれるイベントが相次ぐ中で、若い人材のアイディアや行動力をいかに育てていくか。地域と人を同時に創造できる新しい玉野を目指していきたいと思います。

SEIJI KIMURA
木村清児 /(株)清心工業 代表取締役
1976年玉野市出身。玉野市立玉野備南高等学校卒。高校時代、アパレル、建設業など様々なアルバイトを経て19歳で木村建材(現 株式会社 清心工業)を起業。玉野商工会議所青年部 副会長 研修室長、クローバー会 会長等歴任。


ICHIRO MIYAHARA
宮原 一郎/宇野港土地(株) 代表取締役
1970年東京都出身。日本大学卒。1995年ドイツの紳士服ブランドHUGO BOSSの販売員として新宿伊勢丹に5年間勤務。2000年宇野港土地(株)に入社し、2009年より代表取締役を務める。趣味は釣り。

HIROHISA KATO
加藤 浩久/岡山県議会議員
1962年玉野市出身。慶応義塾大学法学部政治学科卒。その後(株)加藤商店に入社し、1999年代表取締役就任。2000年玉野青年会議所理事長歴任。2003年岡山県議会議員 初当選。2019年で5期目に突入し現在に至る。剣道3段。

TAKAYA UEMATSU
植松 鷹矢/(株)Hawks 代表取締役
1995年玉野市出身。専門学校Bemax卒。2016年(株)Hawksを玉野市のHP制作会社として設立。同年(一社)日本ドローンビジネスサポート協会協力のもとドローン事業スタート。現在e-sportsの国内普及に注力。

編集者PLUG

シェアする